備忘録3(2016.03.01)

いくらカフェが併設されていてお洒落な空間でも、「How to本」を中心にゾーニングされている大型書店は、ただそれだけで居心地が悪くなる。

「何をそんなに思い悩んでるの?ほら、正解はここに書いてあるよ?それなのに、あれこれ考え込むなんて時間の無駄じゃない?」とバカにされている気分になる。

「物事の正解は『情報』の中にある」「膨大な情報の中から正解を『選び取った』者が勝つ」ということが、最早信仰のようになりつつある。

この信仰の下では「答え=正解」でなければならず、正しいのか間違っているのか即座には判別できないような「試行錯誤を繰り返して自分なりに捻り出した答え」などというものは、そもそも「答え」とは看做されない。

「効率」への盲信というか狂信が、「try」よりも「choice」を偏重させる。「過程(問い)から結果(答え)」に至る所要時間を最短化することが最高の価値であるとされる。

かくして現代人は「自分でとことん考える/悩み抜く」体力をどんどん奪われてゆく。「失敗や負けを伸び代に転じる」知恵をどんどん奪われてゆく。