備忘録2(2016.02.21)

美しい国、日本」系統の政治的スローガンは見聞きしただけで吐き気を催してしまう。政治を「美醜」で語る人間は、そのことによって自身の品位を貶めていることに気付いているのだろうか。

政治に「美学」を持ち込むとロクなことがない。そこでは「醜い」と烙印されたものや人=受け入れ難い「異物」と断じられたものや人が、権力によって隠蔽されたり、「美しい」とされるものに同化させられたりする。あるいはそうした「排斥」の雰囲気が社会に充満してしまう。

政治家という職業は、「億単位の人間をいかに食わせていくか(物心両面にわたっていかに飢えさせないか)」という極めてリアルでシビアな問題に、自身の持てる全リソースを傾けることのできる人間でなければ務まらないと思う。少なくとも、自身の美意識を政治の土俵で披瀝して悦に入っている暇などないはずだ。