備忘録98(2019.12.28)

田中さんのNPO(ソーシャルセクター)批評?にはいつも「うーむ…なるほど…」と唸ったり、「そうだそうだっ」と心の中で共感の声を上げたりしている。

今回の記事を読んだ率直な感想は、「スマート感」や「オサレ感」を漂わせている一部の「成功者的(に振る舞う)NPO」に対する自分の違和感や嫌悪感が、単なるルサンチマン?恨み節?ではなかったのかもな、と安堵したというか、何ならそういう自分の感覚を後押ししてもらった?ような心地がした…というもの。

別にNPOが「スマートであること」や「オサレであること」が悪い/気に入らないというのではない。「スマート感」や「オサレ感」の「感=表層」しか見えてこない(というか、見せない)、実際の「現場の泥臭さ」が全く匂ってこない(というか、匂わせない)というスタンスに対する違和感というか、胡散臭さのお話。

いや、それだけじゃないな…。何というか…今の日本のネオリベ的潮流(何でもかんでも企業・市場型ロジックで処理しようとするとか、「小さな政府」指向とか、自己責任型社会指向とか…)に乗っかって、ヒトやカネを集めることに成功した組織独特の「マウント感」に辟易しているという方がピッタリくるかも。

実際にそういうNPOの取り組みで救われた、助かったという「当事者」の方も相当数はいらっしゃるわけで、別にそういうNPOを全否定するつもりは全然ないですし、記事にあるような「リア充(勝ち組)」的代表者に率いられたNPOには「本当の当事者支援はできない」=「当事者にしか当事者は救えない」と言うつもりもありません。

でもね…ちょっと言葉にするのは憚られますけど敢えて言うなら、自身の「リア充(勝ち組)」的価値観や感性に無自覚なまま「当事者」と向き合うことって、ともすると「当事者を利用して自分(たち)の『市場価値』を高めている」ように見えなくもないですよと…。

自分自身も組織の採用活動の一部やら、インターンシップ受け入れやらを担当しながら、「虚偽ではないにせよ特に意味も中身も無い単に『(就活)市場ウケ』しそうなアプローチ」の片棒を担がされているような実感がある。

人材は必要ですし、カネも必要ですよ。でもね、「何かズレてません?」という感覚がどうしても拭えない。こんなどうしようもない違和感を抱えた状態なので、「今一番やりたくない仕事は?」と問われたら、間違いなく「ファンドレイジング」と答えることでしょう…なんつって。

https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakatoshihide/20191225-00156316/