備忘録29(2017.10.19)

道幅が狭く、見通しの悪い交差点。しかも信号はない。一部の周辺住民は「これじゃあ、いつ交通事故が起こってもおかしくない。せめて信号だけでも早く設置してほしい」と声を上げ続けた。

しかし、大多数の周辺住民は、内心では「あー、確かにあの交差点、ちょっと危ないよなぁ」と感じているにもかかわらず、特にそれを訴えることをしなかった。

その地域の交通設備を管轄する行政当局も、「信号設置」の要望が一部の周辺住民からの訴えにとどまっていること、そして、過去半世紀以上にわたって、その交差点では交通事故が起きていないこと、信号の設置には新たに追加予算を組まなければいけないことなどを理由に、その要望を突っぱね続けた。

そんな交差点に遂に信号が設置される日がやってきた。それは、その信号のない交差点で100人以上の交通事故死亡者が出た後だった…。

日本が70余年前に体験したストーリー。そして、今の日本で進行中のストーリー。