備忘録71(2019.03.19)

これまでは、学生や若手スタッフに対して「『地方』ではメニュー(重度訪問介護という制度・サービス)はあってもシェフ(サービスを提供する事業所)がいない」という説明をしてきた。利用の対象となる障害当事者の絶対数が少ないために採算が合わない、長時間のケアを充足できるヘルパー側の人手が足りない…。

でもここ最近は、そういういわゆる「地方」だけの問題ではないことが分かってきた。大阪のような「大都市圏」であっても、「重度訪問介護」が充足しているとは必ずしも言えないということ。

「人手」の問題もさることながら、同じヘルパー派遣サービスであっても、長時間の支援が可能な「重度訪問介護」に比べて、ピンポイントの短時間支援しかできない「居宅介護」(身体介護)のほうが報酬単価が高く設定されているため、“儲けの少ない”「重度訪問介護」を「忌避」するヘルパー派遣事業所が少なくないという問題。

確かに効率よく利益をあげるためには「居宅介護」でケース数を稼ぐほうが「賢い」んでしょう。でも、「効率よく利益をあげる」ことが目的化しちゃってる時点でアウトではないかい?と、青臭い私なんかはやっぱり思ってしまう。

そりゃ人手を確保するためにも安定した経営基盤は不可欠なんだけれども、その「人手」だって、本来「何のために必要な」人手なのか、そこを忘れてしまっちゃいねぇかい?と。

福祉サービスの「需給」バランスに関しては、単純化が許されない問題ではありますが、一つの「視角」として、こういうのがありますよね、という備忘録でした。