備忘録11(2016.08.13)

何度読み返してみても、この賢明な人が、今この時に日本の天皇を務めていることは天祐としか思えない。

重要なのは「生前退位」そのものではなくて、「何のために生前退位が必要なのか」ということ。それは紛れもなく「天皇が『象徴』としての機能/役割/務めを十全に果たし続けるため」だと仰る。

もうこれは「単なる護憲」じゃないよ。実際の行動を通じて「象徴天皇とは何なのか?」を模索し続け、国民のリアルな生活の場である「市井」と向き合い続ける--「天皇」という立場ではあるけれど、「一人の日本人」としてこの国の「在り方」について、真剣に悩み続けて来られたことが伝わってきました。

どこぞの首相のように「お祖父ちゃんの悲願だった憲法改正を僕の代で成し遂げるんだ!」という極めて個人的な「ロマン」と、国の「在り方」という極めてシビアな問題を政治の現場で混同するような軽率さは微塵も感じられない。

この社会を「諦めない」ためにも、真摯に受け止め、咀嚼し、消化したい「お言葉」でした。

 

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