備忘録24(2017.06.13)

一応報告…

シンポジウムのピンチヒッター、何とか乗り切りました。

出番の最初に、アイスブレイクのつもりで「ご意向」「忖度」ギャグをぶち込みましたが、見事にややウケ、ややスベリのいたたまれない感じになりました。シュール過ぎたのかな…

結論から申しますと、冒頭のスベリ具合もさることながら、私の問題提起は、他のパネリストの方たちのそれや、シンポジウム全体の流れからすると相当「浮いた」ものになってしまいました。

私はてっきり医療的ケアの「普及ありき」で「医療と福祉の連携」について議論するものと思っていたのですが、どうもその基本的な認識からしてズレていた感が…。

私の勘違いであってほしいのですが、皆さん「第一線で重症心身障害者の医療的ケアに携わるのはあくまでも看護師をはじめとする医療専門職である」と仰っているようにしか聞こえなかったんですね。つまり、本当に額面通りの「連携」…「いかに身近に看護師がいる環境を整えるか」とか「重症心身障害者医療の『係りつけ医』主体化路線をいかに推進するか」とか…。

もちろんそういう「連携」が必要なのは間違いありませんけどね。でもその前提が「医療的ケアの担い手=看護師(医療専門職)」って…おいおい。じゃあ5年前の法改正は一体何だったの?って。やっと介護スタッフにも医療的ケアに従事できる道が開けたのに。これまで法的なグレーゾーンの中でコソコソとやらなきゃいけなかった医療的ケアが、やっと大手を振って出来るようになったのに。他のパネリスト、進行役のコーディネーターといったお歴々は誰もそのことに言及しない…。

当初は「関係事務手続きをもうちょっと簡略化してくれ」とか「実地研修に係る費用について、ある程度リーズナブルな相場をちゃんと設定してくれ」とか、「行政」に対して物申す部分を強調しようかと思っていたのですが、やめました。逆に他のパネリストの方々と「かぶってしまうんじゃないか」と懸念してスルーしようかぐらいに考えていた部分を強調することに…。

「医療的ケアを必要以上に『特別視』していませんか?」

「注入ケアと食事介助、ぶっちゃけどっちが危険だと思いますか?」

「このシンポジウムのテーマは『医療と福祉の連携』ですけどね、はっきり言ってこれからの現場、人口減少という後退戦を戦っていかなきゃいけない日本社会では、もう縦割りの専門職同士の『連携』じゃ間に合いませんよ」

「医療・介護・福祉、それぞれの知識やスキルを一定程度横断的にカバーできる『ジェネラリスト』を養成しないと立ち行かないですよ」

…立場も弁えず相当言いたい放題言ってしまいました。そしてそんな私のプレゼンが終わると、進行役の方から一言。

「言いたいこと(ズバズバ)言いましたねぇ。本当はもっと言いたいことたくさんあるでしょう?」

「いえいえ!とんでもありません!」とさすがに恐縮&苦笑いでそそくさと自分の席へ引っ込んだのでした。

改めて立ちはだかる壁の大きさを感じた一日でした。制度やシステムの構築あるいは改善と並行して、人々の「認識」という根っこの部分…そこにきちんとコミットしていかないと、いろんなことが空回りしてしまう…当たり前のことなんでしょうけど、これが本当に難易度ウルトラC

さて、私たちはどこまでアウトリーチできるんだろうか…

 

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